㈲スリーサプライ川口の平野です。
スクリーン印刷の過程がわかる動画を見つけました。

内容は、
①スクリーン印刷の刷版の作成
 アルミフレームに紗貼り
②感光剤の混ざったゾルをコーティング
 手作業です。
③ポジフィルム作成
 パソコンで作成しています。
④露光
 太陽光で露光しています。平行光だから意外に良いのかも…
⑤手刷りで印刷
 Tシャツに2色刷りしています。




スクリーン印刷の会社に勤務していてもなかなか見る機会の無い紗貼り工程。そんな機会に恵まれたとしても、その多くは自動紗貼り機での作業です。手作業の紗貼り動画は貴重です。

紗貼り工程を見ることで、スクリーンの紗をまっすぐに置くか斜めに置くかでノーマルメッシュとバイアスメッシュの刷版ができることを理解できると思います。
さらに紗の引っ張り具合でテンションの調整ができることも理解できます。

感光剤を混ぜたゾルのコーティング作業も社内製版を行っているスクリーン印刷会社の方なら普段見ている光景ですが、出来上がった刷版した見たことのない人にとっては勉強になるでしょう。

ポジフィルムの作成はパソコンを使ってます。
赤ネガと線画を使ってカッターナイフで切り出していたら思いっきり昭和のスクリーン印刷だったのですが、ちょっと残念です。

そしてポジフィルムを貼りつけての露光。
ポジフィルムの黒い部分は光が当たらないので感光しません。露光後に水洗いすることで黒い部分が流れ落ちて印刷パターンが出来上がります。
太陽光は平行光なのでスクリーン製版の露光には最適です。しかし雨や曇の日には出来ないですね。

余談ですが、紗を黄色く染めることで露光時の光の乱反射を抑えることができます。フィルムと感光剤はピッタリと接触させるのですが、それでも数μの隙間ができてしまいます。そこで乱反射がおきると露光ムラになり、まっすぐな画線になりません。スクリーンの紗が黄色いのにはちゃんと理由があるんです。

そして作成した刷版を使ってTシャツに印刷しています。手刷りです。

紗貼りは外作、製版は親会社で行うことができますが、めったに見に行くことはありません。そんな全てを準備された状態からスタートするスリーサプライの印刷オペレーター。
刷版のできるまでを知っていたからといって、何が変わるってことは無いですが、自分が仕事として毎日使っている刷版の事を知っておいて損は無いと思います。

いざ見学となると半日の稼働停止を余儀なくされますから、なかなか実現しません。しかしこのような公開された動画を見ることはいつでもできます。
知っていればイレギュラーが発生した時に取る対応も違ってくるかもしれません。年数を重ねたオペーレーターであるほど多くの引き出しを持っているべきだと思っています。

このようなお役立ち動画はまだまだあります。
個人動画、企業動画に関係なく当ブログで紹介していきます。「お役立ち動画」というカテゴリーにまとめておきますので、お時間のある時にでもご覧下さい。